雪道で運転するコツ 滑ったときの対応法【初心者向け】
仙台市にあるコーティングと洗車のプロショップ、MONSTER WASH(モンスターウォッシュ)です。
宮城県仙台の冬は、雪は降るものの、累計積雪量の平年値は90cmほどです。
東北の中では降雪量が少ないものの、降雪時の運転方法の知識を得ることや設備面での対策をとっていくことが大切です。
今回は、雪道での運転、降雪時の対策について解説していきます。
目次
雪道を運転する際のコツ
雪道では、通常の路面状態よりもタイヤのグリップが極端に低下します。普段よりも加速・停車・ハンドル操作の反応が悪くなります。発進時のアクセルはゆっくりと踏みましょう。
また、急ブレーキを行わなくて済むように、いつもの車間距離よりも2倍程度を保っておくと安心です。多くの車にはABS(アンチロックブレーキシステム)が搭載されていて、ブレーキを踏み込んでもタイヤはロックしにくいですが、過信せずにエンジンブレーキも上手に使って減速しましょう。
事前に、低速状態でブレーキを踏み込んでABSをわざと作動させて、雪道でのブレーキ操作のニュアンスをつかんでおくのも一手です。ブレーキのチェックを行うときは、事故を起こさない安全な場所で行ってください。
発進する前の確認事項
降雪時、乗車する前に車の状態を確認することが大切です。
車のボンネットやルーフに雪が積もったまま発進すると、ブレーキ時にフロントガラスに雪が落ちてきて視界不良となり、事故の原因となります。発進の前には雪を落としておきましょう。
雪を落とす場合は、スノーブラシを利用して、車の前後ではなく左右に落とすと、発進時の邪魔になりません。
雪道では何キロで走るのが安全?
路面の状況や道路の勾配によって安心して止まれる速度は様々なため、一概には言えませんが、目安として制限速度からマイナス10 ~ 20km走行すると安心です。
前述の雪道での運転のコツを活用して、確実に停車できる速度で運転してください。
道別、走行時の注意点
雪道は場面によってより注意が必要となることがあります。事前に知識をつけておき、雪道の運転に備えましょう。
上り坂と下り坂、坂道での走行
雪道ではタイヤのグリップが低下していますので、坂道の走行は慎重に行いましょう。
雪道の上り坂では、急激なアクセル操作をするとホイールスピンを起こして坂を登れなくなります。過剰な駆動力をかけないよう、微妙な加減でアクセルを踏み込むことを心がけてください。
一方、雪道の下り坂では前輪側に荷重がかかります。車体が前のめりになって、後輪のグリップ力がより弱くなっているため、車のおしり側が振れやすくなります。このときに、急ブレーキや急ハンドルを行うとスピンするおそれがありますので、フットブレーキだけではなく、エンジンブレーキも活用して慎重に運転してください。
轍(わだち)での走行
車が通ったあとにできる「轍(わだち)」を走行するときも注意が必要です。
轍に逆らって走行すると、ハンドルを取られたり、スピンしたりしてしまう可能性があります。なので、なるべく轍の流れに逆らわず、十分にスピードを落として走行しましょう。
轍から脱出するときは周囲の安全を確認して、徐行しながらハンドルを左右に小刻みに切り、車体の揺れの反動を利用して脱出します。この方法で脱出できない場合は、無理せずにスコップで除雪してください。
アイスバーンでの走行
雪道を大きく分類すると、2つに分けることができます。
1つ目は、積もった雪が踏み固められた状態の路面である圧雪路、2つ目は凍結した路面であるアイスバーンです。アイスバーンは圧雪路よりも滑りやすいため、走行時は一層注意が必要です。
アイスバーンはできやすい場所をあらかじめ知っておくことによって、事前に対策できます。特にこの4か所はアイスバーンができやすいです。
- カーブ
- 橋の上
- トンネルの出入り口
- 交通量の多い交差点
カーブは日陰と日向の連続であったり、橋の上とトンネルの出入り口は冷たい風が吹きさらしになっていたりすることから、アイスバーンが起きやすく注意が必要です。
車の往来が多い交差点もアイスバーンができやすい場所です。交差点でスリップすると対向車や前方の車との衝突事故につながりますので、早めの減速を心がけてください。
また、ブラックアイスバーンと呼ばれているぱっと見ただけでは道路が凍っていることがわからない路面があります。アイスバーンができやすい場所では、見た目が問題なくても注意して走行しましょう。
タイヤのメンテナンスと気を付けること
雪道を運転する際はテクニックももちろんですが、タイヤの状態も万全である必要があります。
スタッドレスタイヤなら安全?
スタッドレスタイヤは劣化します。3~5シーズン程度は使えますが、ゴムの劣化・タイヤのトレッド摩耗により十分に性能を発揮できなくなるため、走行前にタイヤの状態を十分にチェックしておきましょう。
雪道をノーマルタイヤで走行しても大丈夫?
雪道は普段の路面と比較して車の制動が難しくなります。
何も対策せずにノーマルタイヤで雪道を走行してしまうと、事故を起こしてしまう可能性が非常に高まります。
圧雪路では、スタッドレスタイヤと比べて制動距離が1.7倍になり、アイスバーンでは、チェーンの1.8倍も制動距離が伸びてしまいます。
では、どのような対策があるのでしょうか?
それぞれのメリット・デメリットを比較しながら確認していきます。
※フリックで表をスライドできます。
タイヤの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
スタッドレスタイヤ | ・通常の路面でも走行できるので、利便性が高い ・制動力がノーマルタイヤと比較して非常に高いので、雪道でも比較的安心して走行できる。 |
・アイスバーンでの制御力はチェーンと比べて劣る。 ・あらかじめタイヤを交換しておく必要がある。 |
チェーン | ・制動力がノーマルタイヤと比較して非常に高いので、雪道でも比較的安心して走行できる。 | ・装着するのに手間がかかる。 ・路面の状況によっては制動距離が長くなる。 |
オートソック | ・非常に簡単に装着できる。 ・場所を取らないので、車に常備しておける。 |
・スタッドレスタイヤ、チェーンと比べると車の制御力が劣る。 ・劣化するスピードが早く、100kmほどで交換が必要。 |
トラブル発生時の対応方法
運転時、どんなに注意していてもトラブルが発生する場合があります。実際にトラブルが発生した際の対応方法を解説します。
スリップしてしまったら
雪道を走行中にハイドロプレーニング現象が起きてしまうとスリップします。タイヤと路面の間に水が入り込むことで、ハンドルやブレーキ操作が効かなくなるため、制御が困難になります。
もし、雪道を走行中にスリップしてしまっても、アクセル・急ブレーキを行わないようにしましょう。タイヤの摩擦力が戻るまでは焦らず、急な操作をせずに待つことが肝要です。スピンしそうなときは、後輪の向いている方向と逆方向にハンドルをゆっくりと動かして、対策を行う方法もあります。
雪道でスタックしてしまったら
傾斜の付いている雪道で停車したあと、タイヤがスリップしまって発進できなくなる……という状況がよく起こります。駆動するタイヤから地面を蹴る力がうまく伝わらないことが原因です。
このような状況になったら、いくらアクセルを踏み込んでもスタックから脱出することはできません。同乗者や近くの人に押してもらったりするなど、他者の協力が必要になります。その場合でも、スタックラダーを利用すれば一人でも脱出可能です。
スタックラダーを駆動輪の接地面の前方に置き、その後にアクセルをコントロールして前進します。雪道とタイヤの間にスタックラダーを噛ますことで、摩擦力を取り戻してスタックから脱出できます。
レスキューを呼んでもすぐに駆けつけてくれるとは限りません。レスキューグッズを準備しておくことで、一人でも対策できるようにしておくと安心です。
【豆知識】タイヤチェーンの装着が必要な場所もある
大雪特別警報や、大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときにチェーン規制が行われます。
チェーン規制が適用されるのは、一般国道および高速道路の13区画となります。
モンスターウォッシュのある宮城県には対象となる道路はありませんが、旅行に行くときなどはあらかじめ調べておけると良いでしょう。
対象の道路は国土交通省のウェブサイトにて掲載されています。
スタッドレスタイヤをつけていても、チェーン規制中の道路はタイヤチェーンをつけなければ通ることができません。
参考: 道路:雪防災 – 国土交通省
雪道の運転は事前の対策と正しい対応が必須
以上、雪道での走行と降雪の対応についてでした。
しっかりと知識を身につけて、雪が降る季節になったら余裕をもって対応していくことが大事です。